「冗談だよ。
優のことだ。どーせ花音ちゃんのことでしょ?」



「いてっ!」



俺のでこをデコピンして、笑って言う涼太。


なんだ、バレてたのか…花音のことだって。

さすが涼太。


じゃあさっきのは演技か……。


俺を元気付けるための。






「なぁ、涼太」


「んー?」


「お前の後輩ってさ、どんな奴?」



「えっ?後輩って…?」



「沢田…ってやつ」



「あー、沢田ね。1年のくせにバスケめっちゃうまくて、レギュラーだよ」



うわっ。


めっちゃすげーじゃん。


花音が惚れんのも、無理ないか…。