目を閉じて聞いていると


陽だまりは暖かくて、ピアノの音が心地よくて眠くなる。



…〜♪〜♪〜♪





音色が消えると俺は目をあけた。


そこに映ったのは


優しい瞳で目の前のピアノを見つめている女の子だった。






「俺…君のピアノ、好き」




思わず、そんなことを言っていた。


でもそれは正直な気持ちだった。






女の子は驚いた顔をしてこちらを見ると


照れくさそうに、でも嬉しそうに微笑む。



「はい、これ」



俺はそんな女の子にすずらんを返した。

彼女はキレイな手でそれを受け取る。