手に持っていたすずらんを、もう一度俺に差し出してきた。



これは…

持ってて。って意味かな?





俺は手を伸ばし、すずらんをもう一度預かる。




彼女は楽しそうにピアノに指を置いた。

そしてメロディを奏で始める。



…〜♪〜♪〜♪





さっきと同じ…


優しくて心地よい音。




風の音とまじって、俺の耳まで届いてくる。



すずらんも風で揺れていた。




彼女の奏でるピアノの音は本当にキレイだった。