そのことに、嬉しくなった。




そしてつい、調子に乗った俺。




「今、そっち行く」





そう言って窓を全開にあけた。



風が動き出して、俺たちを隔てていたものは消えた。






すずらんを持って、靴のままその教室に入った。




彼女がいる教室の中へ、俺は一歩踏み込んだ。




「………!」



何も言わないでただ驚いてる女の子。





「はい、これ」


その子に近づき俺はすずらんを差し出した。