風がまた動き出す。 つられて俺は振り返り、足もとにある花壇に植えてあるすずらんを見つけた。 「あっ!」 これ、この子に返さないと! そう思ってすずらんを手に取る。 「ねぇ!これ、君のだよね?」 そしてまた窓に近づいて、女の子にすずらんを見せた。 彼女は俺の手の中にあるすずらんを見るなり、目を見開いてコクッと頷いた。 なんか今、初めて2人が繋がった気がする。 ただ頷いただけだけど、確かに俺だけに向けられたものだったから。