【完】君ノート





「やった、花音から電話きた」



優くんの突然の言葉に、私は意味が分からずキョトンとしてしまった。



そんなの気にせず、優くんは続ける。




「あれ?なんで泣いてるんだろ?俺、分かってやれない。
辛いとき、花音のそばにいてやれなかった。かっこわる。

わざわざ駅まできてくれて、頼りない俺にノートで教えてくれた。

おばあちゃんが倒れたとか、大変なときに勇気だして俺のとこまで来てくれた。

タオルと水、重たいのに女の子に運ばせちゃった。
俺が行けば良かった。失敗したなー」



優くんはさっきの出来事を思い返すように、反省点を述べるように言った。



そしてニカッと笑って答えた。



「花音のだめなとこってどこ?
俺がだめだめなんだよ」





…え、と…。



優くんのペラペラと喋る魔法の言葉は、私の涙をひっこませた。