【完】君ノート





そして…


何よりも俺が見惚れてしまったのは…





楽しそうにピアノを弾く、あの女の子の横顔。




ドキッと胸が高鳴った気がした。




「………」





俺は何も言わずに、ただ彼女が奏でる音を聴いていた。





音は風に乗って俺まで届く。



そして、その風は彼女の髪と俺の髪を揺らした。



窓が俺たちを隔てているけど、なんだか同じ空間にいる気がした。




風が2人を優しく包み込んだとき、彼女はピアノを弾き終えた。