【完】君ノート





「うわっ。どうして泣くの!」


優くんはまた涙を流す私を見るなり、ギョッと驚いていた。



ノートを開く。


私の想いを、ここに紡ぐ。




〔優くん。私、だめなとこばっかりでごめんね〕




ページをめくった。

ごめんなさいって気持ちが、止まらない。


〔優くんに急に電話して…
優くん勉強で疲れてるのに、走ってこさせちゃったし。
すごく困ったよね?
それに、水もかけちゃった…〕



たくさんの文字。

言葉。



それをひとつひとつ、丁寧に読んでくれてる優くん。



読み終えるなり、優くんはフッと笑った。