そしておばあちゃんが眠っているのを確認して、 ゆっくりと口に当てていた手をはずすと… 「俺を頼ってくれて、ありがとう」 私に向かってそう言ってくれた。 …胸がキュッて苦しくなった。 なんだか切なくて、でも嬉しくて、温かい。 苦しいのに温かいって、変なの。 でも嫌じゃないの。 〔おばあちゃんの水とタオル、取ってくるね!〕 恥ずかしくて、照れくさくて。 まるでそれから逃げるように、私は立ち上がって台所の方へ行った。