【完】君ノート




しばらくしてから、私はゆっくりと身体を離した。



今更だけど、すごく恥ずかしい…。


自分からしたくせに、顔が熱いや。




「ははっ。目赤くなってる」



そんな私をよそに優くんは笑って、私の目もとにそっと触れる。




「花音は泣き虫だな」



そう言って微笑んだ。



私はノートを手に取る。



〔優くんのおかげです。
迷惑かけてごめんなさい〕






「迷惑!?そんなんじゃねーし!!」



私のノートを見るなり、すごく必死に否定してくれた。


私はその大きな声にポカーンとする。




ハッとした優くんは、おばあちゃんの顔をチラッと見るなり手で口を抑えた。