【完】君ノート





「ははっ。花音、泣きすぎ…」




知らない間に、また頬に涙が伝っていた。




ごめんなさい。

これはきっと、安心したから。



おばあちゃんが大丈夫なんだって、安心したからなんだ。




私は隣にいる優くんの制服の裾を掴んだ。

そしてそのまま、彼の胸の中に飛び込む。





ごめんなさい。



少しだけこのままでいさせて。





「花音…?」




驚いた声をもらす優くんだけど、不器用にゆっくりと私の背中に手をまわして、


そっと、大切なもののように抱きしめてくれた。




私を包み込んでくれた。