すると優くんは、パッと私の方へ向いてきた。 目があって、ドキッとしてしまう。 「たぶん、疲れてたんだろうね。 寝かせてあげたら大丈夫だよ。季節の変わり目によくあること。 うちの母さんも、毎年この時期は体調くずすし」 …不思議。 優くんがそう言うと、ほんとに大丈夫な気がする。 優くんの言葉は… 優くんの声は… まるで魔法だね? 私は床に置いていたノートを手に取る。 そして言葉をつづった。 〔ありがとう〕 感謝しても、しきれない。 ほんとにほんとに…ありがとう。