学校から1番の最寄り駅に着く。
私は電車から降りて、駅の外へ出ると
すぐに優くんの姿を探した。
まだ…来てないのかな?
また少し不安になって、うつむいてしまった。
「花音っ!!!」
遠くから叫ぶような声で名前を呼ばれた。
その声は、私のもとへと届く。
その瞬間、私は顔をあげた。
私の視界に映ったのは、全速力で息を切らしながらこっちに向かってくる優くんの姿。
真っ直ぐに私のもとまで来てくれた。
「はぁ…はぁ…。めっちゃ走った…。
けど、ごめん!遅れた!!
しかも、息切らして…俺、だっせぇ」
優くんは私の思ってることと、反対のことを言った。
私は、
私のために、汗だくになってまで一生懸命走ってきてくれた優くんを、かっこいいって思ったのに。


