【完】君ノート





『…花音?』




………え?


今…私の名前…。





『花音なのか?』



電話越しの声だけど…。




優くんが私の名前を呼んでくれた。


私だって、気づいてくれた…。




神様っ。



優くんが…気づいてくれたよ…。




涙がとめどなく流れた。


その涙は頬を伝い、ノートの上に落ちて、優くんの書いてくれた文字を滲ませた。




『泣いてるのか?』




優くん。


ごめんね。

涙が止まらないの。



こんな状況なのに、嬉しいって思ってる自分がいる。



優くんが心配してるこんな時に。