【完】君ノート






『俺はいつでも暇人だから、連絡して!』



ふと、笑ってそう言った優くんが思い浮かぶ。




縁側から吹く風が台所まできて、私の髪を揺らした。




思わずその風の流れる方向へ振り返ると、目に入るのは


隣の部屋でパラパラと風にのって、ページがめくれていくノート。






………優くん。



助けて…。






私はおばあちゃんのそばを離れ、


隣の部屋へ行き、優くんがくれたノートを手にした。




夏休みが始まる前の日。



優くんがこのページにくれた連絡先を見つめる。