俺はまるで、手の中にあるすずらんに語りかけるようにそんなことを思っていた。 「行こーぜ。優ー!」 涼太がそんな俺に声をかける。 「おう!」 そう返事をして、 俺は何も埋められていない空っぽの花壇に持っていた1本のすずらんを植えた。 「明日も来るから」 必ず、あの女の子に返すから。 そんでちゃんと謝るから。 待ってろな? そう心の中ですずらんに話しかけると、俺は涼太達のもとへ行き、先生とともに職員室へ向かった。 その後、職員室でこっぴどく叱られたことは言うまでもない。