私は足下まで転がってきたサッカーボールを、ひょいと持ち上げる。 「わりっ、ちょっとミスった。ごめんな!」 彼はあっという間に私たちのもとへとたどり着いて、右腕で汗を拭った。 「全然大丈夫だよ。はい、サッカーボール!」 そんな彼に、私は笑顔でサッカーボールを差し出す。 「………」 「……どうしたの?」 それなのに、彼は一向に私の手からサッカーボールを受け取ろうとしない。 「光莉ちゃん……」 少し怖くなって光莉ちゃんの方を見ると、光莉ちゃんも不思議そうに首を傾げていた。