学校まで電車で約20分。
そこそこの県立高校だ。
まだ朝早い電車内は、私と違うクラスの友達とサラリーマンだけ。
特にすることもなく、窓の外をみつめる。学校に近くなるたびに多くなる緑の景色に田舎を感じる。

降りる駅から、2個前の駅。

「おっはよー!」

ドアが開くと同時に勢いよく入ってくるのは親友の怜奈。

「怜奈おはよー。」

「怜奈はえーよ…」

怜奈より遅れて入ってきたのが、怜奈の彼氏の拓人。

「あ、杏子おはよ。」

「おはよー。」


この二人はカップル…というか夫婦?みたいに仲が良いんだ。

「拓人、ちゃんと座って!恥ずかしいでしょ?」

「うっせーなあー。」

あ、夫婦ってより親子?
そんなこと考えて、私はクスリと笑った。