ここ、総合武道館で剣道少女日本一が決

まろうとしていた………。


主人公、刹那桜はこの試合で剣道を引退

すると決めていたので精一杯全力を出そ

うと心に決めていた。

審判の高らかな合図が上がるとすぐに、

       パンッ

    心地いい音が鳴り響く。


試合は桜の完勝だった。

決して相手が弱かったわけではない。

桜が………「影桜姫」が強すぎただけなの

だ。


会場が空白に包まれる中、負けた相手…
「舞風 藍」は声を上げた。

「あー!!また、桜に負けた!!」

「そう簡単に勝たせてたまりますか♪」

「…………今回で最後なんだよね?」

「……はい。剣道はもう止めようと思います。なんか、ごめんなさい勝ち逃げしてしまい………」

「そっか……。私は最後まで影桜姫の背中を見続けられて嬉しかったよ」

「藍ちゃん…………」

「一位の座は開けておくから、なにかあったら帰ってくるんだよ?」

「っはい!」


両者が握手をした瞬間、空白につつまれ

ていた会場は拍手で溢れかえった。