「山代さん。具体的な日付っていつぐらいかな?」


優の言葉にハッとなり慌てて説明する。


「お盆前の、12、13日はダメですかね?」


その日の予定をケータイを開き確認する。その日には予定は入ってなかった。

それは、俺だけではなく、みんなも同じで。


「私は補習終わったらなにもないからね。藍ちゃんからも夏休み遊ぼうとかの連絡もないしね。てゆーか昨日から親もいないしね。家帰ったら『夏休みの間ママとパパはバカンスを楽しむので渚は一人で頑張ってね。彼氏とかいるんだったらベッドでバカンスするもヨシ☆お土産楽しみにしててね!』って置き手紙あったからね…」


こういう話を聞いてつくづく思う。こんな所が渚に遺伝したんだ、と。

「強烈だな…」

「恥ずかしい。バカンスするって何だよ。私に言ったのと同じで自分等もベッドinでしょ。自分の親だけど恥ずかしい。ついでに自分で言って恥ずかしい。あぁ、会長とバカンスしたい…」

「安心しろ。お前の頭は年中バカンスしてる。俺がいなくても間にあってる」

一度でいいからこいつの頭の中を見たい。……やっぱ止めよう。後悔する気がする。