誰もいない居間にあるテレビの天気予報をぼんやり見つめながら、
カウンターキッチンにいるアキはカチャカチャと食事が終わった食器を洗っていた。
ミツルは夜勤に出掛け、今は家に独り。
テレビ画面から聞こえてくるキャスターの声と、食器を洗う水場の音だけが
アキ以外部屋に誰もいないことをより強調させる。
『あたしが、守るよ。』
...ごめんね。
こんな日には特に思い出してしまうよ。
最悪な嘘で、最低な傷つけ方をした。
彼女の顔が未だに離れない。
「ミツル...早く帰ってこいよ...」
震える肩を抱いて、床にへたり込んだ。
手からコップが落ちても気に留められなかった。
...あー、ミツル。
早く帰ってきて。んで抱かせて。
ちゃんと俺を、
"人"として生かしてーー。