頭がグルグル回ってる。いつ?いつやられたの?ってか、どこまでアイツは鬼畜なんだ?
それよりなんでやられた事に気づかなかったんだろう…。

妊娠した。
どうする?精神科の医師と産婦人科の医師の言葉が交互に迫ってくる。
それは転じて産むか堕ろすか。
産みたいか、産みたくないか。
産みたい…でも怖い。健常児じゃなかったら?
アイツの子供はいらない…でも、自分の子供は欲しい。

答えは出ない。
出口のない迷路に入り込んだ気がする。つわりと合わせて吐き気がする。



夜、アイツが帰ってきた。

「生理、こないんだけど」
「ゴメン」
「は?」
「ゴメン」

って事は、やっぱりやられてたのか…。

「いつ?」

だんまりをきめ込んでいる。

「いつなの!?」

声が荒くなる。
さすがに剣幕に気圧されたのか、ポツリポツリと話始める。

「お前が、薬飲んで寝てた時。」
「そんな事は聞いてない!いつかって聞いてんの!」
「多分、5月の終わりか6月の始め」

産婦人科の医師の見立てとだいたい合う。

「あんたのやった事はレイプと同じなんだからね。わかってるよね。」
「付き合ってんだから、レイプじゃないでしょ。」
「そんなの屁理屈でしょうが!どうするつもりなのよ!」

一瞬の間を置いて、聞いてくる。
「できたの?」
「だから、どうするつもりなのか聞いてるんでしょ!」
「どうするったって…」

また黙る。


「どうするのか、よーく考えて早く結論出しなさいよね。もうすぐ堕ろせない時期に入るんだからね。」