「放課後4時10分この教室で待ってて。」

胸のドキドキが止まらない。

落ち着け俺っ!

ほんの少しの我慢だから。

ユイカは、少しだけうつむき、

コクン…とうなずいた。

やはり、俺を幼なじみとしか…。

胸がいたい。。。





--放課後


「帰ろっか。」

「うん。」

教室に入った時、

ユイカを見て何も言えなくなって、

出てきた言葉は、「帰ろう。」

何やってるんだ俺っ!

何の為に呼び出したんだよ!

とか、思っても足は帰り道に進んでいる



自転車の後ろにユイカを乗せ、

坂道を登る。

風が、背中を押す。



キキーッ!


急ブレーキをかけ、

俺は帰り道と反対の桜へ向かった。


「どこに行くのっ⁉」

ユイカは、この道も、あの桜も、

覚えて無いのだろうか…。


「…くそっ!」

俺は全力でペダルをこぐ。

そして、あの桜の前で-----





「…俺じゃダメですか?
桜が嫌いな貴女が、誰より…」



大好きだよ。




ユイカは、またうつむく。

…ダメか…




「ユウ…」

「…」




「私も…ずっと好きだった///

言ってくれるの待ってたよ。

でも、言ってくれなくて、

ユウは、私を幼なじみとしか

思ってないと…だから…」








えっ?…コレって…



「これからは、私の事、
幼なじみと思わないでね////」



ドキッ。





2人で見上げた桜は、


花びら一枚散らず、

満開になっていた。








END