ハルが停電させるまで、あと一分。
ここから先、何があるのかわからないけど…、やるしかないのは変わらない。

「…はぁ」

ため息しか出ないよ…。


ハルside.

悠希と綺羅、なんか様子おかしかったなぁ~…。
どうしたんだろ…。

「はぁ~……」

あたしだって、悩んだりするけど、二人みたいに重く考えたりしない。
そういうのは苦手だもん。

「やばっ、あと30秒しかないっ!」

残りの秒数は、30秒を切っていた。

「すー…、はー…」

仕事中に深呼吸するのは、あたしの癖。
きっと今回も、人を攻撃するんだろうけど、…これも仕事だし、って割り切らなきゃいけない。

「よーしー!」

あと20秒だ。
ちょっと嫌な予感がするけど、あんまり悪い方向に行かない気もする。

[ハル、準備はいい?]

華音が無線越しに喋る。

「うん、大丈夫」

[…カウントダウン]

あたしが返事をしたとき、綺羅の冷静な声が聞こえてきた。
綺羅は多分、焦っているんだ。
早く、真相-答え-が知りたいから……。

[あんま焦るなよ、綺羅]

悠希が冷静に見えて焦っている綺羅に言う。

[焦ってなんか…!]

「あたしでもわかるよ、綺羅。綺羅は早く真相が知りたいんでしょ?」

[(こういう時のハルって、ほんっと鋭いよな…)ってうわっ!?もう時間が過ぎてるよっ!喧嘩してる場合じゃない!]

悠希が叫び声を上げた。
その大声で、無線がキィン、とハウリングを起こした。