全員が建物の中に集まった。

「さて。これからどうする?」

「意図的に停電して、混乱させる」

俺の問いに綺羅が呟く。

「ていうかさ~、なんでこんなに敵居ないのかな?」

ハルがサラッと話題を変えた。

「確かに…。見張りも見回りしてる奴も居なかった。ここの構造もおかしいし」

「誘い込んでるとしか思えないわね…」

綺羅がうんうんと頷き、華音が悩む。

「一カ所に集まってるか…、もともと人が少ないとか?」

「…どっちにしても、私達に有利なのは間違いないわ」

俺が三人に聞くと、華音が答えた。

「うんうん」

「「「ちゃんとわかってる?」」」

適当すぎるハルに、俺らは聞き返した。

「わかってるよ~!」

ほんとかな…、と思いつつも、これ以上ハルの機嫌が悪くなるのも嫌だから、言うのは止めた。

「で、だ。配置は…」

「はい、地図」

華音が地図を渡してくれて、俺はザッと見渡す。

「ありがと。…停電係はハル。電気盤の側な」

「りょ~か~い。ブチッてやっちゃっていいのー?」

ハルが聞いてきたので、俺は頷く。

「綺羅は、見張りを銃撃」

「了解」

綺羅の目の良さを生かした配置だ。

「華音は俺と一緒に特攻な」

「いつも申し訳ないわ…」

しょんぼりする華音は、可愛い。

「気にすんなって」

ぽふ、と華音の頭を撫でた。

「あ~!華音ってばずるーい!」

「はいはい」

ハルが暴れるので、綺羅が変わりに頭を撫でた。