俺達はバラバラで行動し、目標を探す。
目標は麻薬を売りさばいている"桐島"という男。
ひょろっとした、陰険そうな男らしい。

「チッ」

小さく舌打ちして、俺は銃を構え直す。
今は敵も味方居もないが、いつ敵が出てくるかはわからない。

「…」

曲がり角に隠れ、慎重に顔を覗かせる。

「…!」

ガガッ……!
無線を入れ、みんなに連絡する。

「見つけた」

俺は三人に通達した。

[さすが!]

ハルは笑う。

[悠希…早いね…]

綺羅は苦笑いしている。

「当たり前だろ」

俺はニンマリと笑う。

[場所は?]

華音が冷静に俺に聞く。

「南倉庫」

[あ~。あたし近い。悠希は見えないけど]

「見えたらヤベェだろ」

[僕には遠目で見えてるけど…]

[綺羅は目が良いもの。私には全然見えない…]

華音も言ったが、綺羅は目がよくて、いつも遠くと暗闇の中を見てくれている。
逆に華音はめちゃくちゃ目が悪い。
普段からコンタクトをしているぐらいだ。

「とりあえず、南倉庫の近くにある建物に集合」

[はぁい]

[了解。僕は華音を回収するよ]

[いつもごめんなさい…]

[気にしないでよ]

俺は笑う。
仕事中だけど、こんな会話があるのが、俺には救いだ。