屋上にていつものように青空の下でサボり中。

「…ふぁあ…」

誰も居ないから、ゴロゴロし放題だ。

「悠希!」

声で大体分かるが、幼なじみのハルがドバンッ(ん!?)と屋上の扉を叩き開け、叫んで入って来た。

「お前、どうやったらそんな音鳴るんだ…」

ひょっこりと影から顔を出して、馬鹿力のハルに呆れる。

「ん~…。わかんない」

ハルはコテン、と首を傾げる。
無自覚って怖いよね。

「…やっぱり。…でどうしたんだ?」

わかってはいたけどね。

「あ!そうそう!華音(カノン)が呼んでるんだった」

「仕事?」

「多分ね~」

いつものやり取りをして、俺達は屋上を後にした。


廊下は走るな、なんてよく言われるが、俺達(特にハル)にはあまり意味はない。
俺達の会議場所は、普段は使わない教室。
ハルがドアをガラガラと、よくある音を立てて、開いた。

「お待たせ~」

ハルが華音に抱きつく。
華音は普通に受け止めているが、ハルの勢いはすごい。
ある意味、一番強いのは華音なのだ…。

「今日も仕事?」

「ええ。…今回は、いつもより楽勝よ」

「ふぅん…」

俺の問いかけに華音はにんまりと笑ったが、綺羅は納得いかない様子。

「でも、楽勝だからこそ、裏があるかもしれないわ」

「ありえる~」

けたけたとハルは笑い、綺羅も、俺も、華音も、笑う。

「実行日はいつ?」

「今日の午前2時よ」

綺羅が問い、華音は答えた。

「「「了解」」」

俺は二人と同じ返事を返して、ニヤリと笑う。