右にスライドさせると、思ったよりも軽く、ガラ、と大きな音をたてて勢いよくドアが開いた。

 全開した扉の中は真っ暗でよく見えなかったが、徐々に目が慣れていき……、そして、それらは、なんとも恐ろしい姿で――。

「いやー!」

 私は一目散に逃げ出した。どこに逃げるかなんて知ったことではない。本能的に、奴等から逃げなければならないと思ったから走っているのだ。

 でも奴等は追ってきたりはしなかった。私も、それを薄々感じてはいた。けれど、逃げるより他なかった。