アサヒがあの日のことを全て話してくれた
あたしが走っていったのを必死に追いかけてくれたらしい
でも結局見つけれないまま、高1が終わってしまった………
そして今に至る
ということ。
あたし、バカすぎる…………
ちゃんと聞いておけば良かった
そうすればこんなことにならなかったかも…
ほんと、こんな自分が嫌になる
そして、
アサヒの話はまだ続いた
「俺、五十嵐さんにアオのこと好きでしょって言われて、
初めて自分の気持ちに気づいたんだ
あっ、俺ってアオのこと好きなんだって。
ごめんな、気づくの遅くて」
「なんでアサヒが謝るの?
あたしのがもっともっと悪いことしてるよ
勝手に話聞いて、逃げ出して
アサヒに迷惑ばっかりかけてる……」
「そんなことない
アオのこと、迷惑だなんて思ったことこれっぽっちもないから、な?」
そう言ってアサヒはあたしの顔をそっと覗いてきた
その顔は優しくて柔らかくて
アサヒの感情が溢れているようだった
あたしはアサヒの言葉にコクコクと、相づちを何度も何度もうった
アサヒが全てをさらけ出してくれた今、あたしも話そうと心に決めた
「最近あたしね、
アサヒの夢見るの」
「俺の?」
「うん、アサヒの。
波留にアサヒのこと好きなの?って聞かれてから、ずっとアサヒが頭から離れなくて。
アサヒにあたしの脳ミソ占領されてるってくらいね」
「んだそれ
そんなに俺が好きか?ん?」
「まだ続きあるから、聞いて!」
なぜだかいつものあたしたちに戻っていた
あれだけ気まずかったのに
そんなことなかったも同然かのように話を進めるあたしたち
「去年、アサヒが授業中にあたしの似顔絵描いたこととか、
教科書貸してくださいって言ったこととか
そういうのばっかり夢に出てくるんだ
で、今日の朝も夢見てたら遅刻したってわけ」
「そっか、アオも俺のことばっかり考えてたってわけか
なんか嬉しいな~」
あたしも嬉しいよ
アサヒがあたしのこと想ってたって知って。
あたしが顔を赤らめてニコニコしてると
「じゃあさ、こんな夢も見た?」
そう言ったアサヒはあたしの方を真っ直ぐ見て話し出した
この雰囲気、どこかで感じたことがある
重くて、緊張してて、なかなか口が動かなくて、
お互いがお互いを気にしあってそっと言葉を発する
そんな空気を感じたのはあの時しかない
そう、
アサヒが真剣な表情であたしに問いかけてきた日
あたしとアサヒの間に沈黙が流れた日

