かまたさんは、もちろんです!と言った。
「私、さっきの電話で、分かち合いたいって言ってくれたとき、すごく嬉しかった。ずっとやってみたかったことだったから」
それから程なくして、
そうだ、明日、学校でお弁当一緒に食べない?
どちらともなく言い出したこの一言が、卒業してからも長年の親友であり続けたきっかけとなった。
* * *
「なーにニヤニヤしてるの?」
となりから話しかけてきたのは、なっちゃんだ。
今日はクラスの同窓会に来ている。
「ちょっと・・・なっちゃんをかまたさんって呼んでた頃の事思い出してた」
なっちゃんはくすりと笑った。
「懐かしいなぁ。私も石田さんって呼ばなくなったのいつからだったっけ」
「卒業アルバムの後ろのページには『かおりちゃんへ』って書いてあったよ」
