話が一段落したところで、私はまた質問をした。

「送信しないにしろ、宛先が私だったのはどうして？」

すると、彼女はばつの悪そうに答えた。

「石田さんって名前順で一番最初だから・・・手っ取り早いって言っちゃうと失礼だけど・・・」

「あはは。いいよいいよ。・・・あのさ、また、メール送ってよ。なんか見つけたらさ」

かまたさんは意表をつかれたようだった。

「実はさ、私、さっき泣いてたんだよね」

かまたさんが驚いたような顔をする。

「意外？」

「は、はい。正直・・・いつも明るく笑ってるイメージしかなかったので」

「いろいろあってさ。結構いっぱいいっぱいだったみたい。でも、空見たら泣き止んじゃった。なんていうか・・・心が一気に軽くなった感じ。かまたさんのメールのおかげでね」