「前に、友達と一緒にいたときに、ええと、そうそう、蟬の抜け殻がいい感じに細い枝に引っかかってたことがあって、それだけで興奮してたらあきれられちゃって。・・・そのあとちょっと気まずくなっちゃって、実は今も一緒に居づらいんですけどね」
分かり合えない人たちと一緒にいるのは少しきつい、というのはよくわかる。
「それで、発見しても感動は心の中に留めておくことにしたんですけど、どうにももやもやしちゃって・・・送信しないメールを作成して気を紛らわせていたんです。今回は、うっかり送っちゃったんですけど・・・」
かまたさんの話を聴いて、分かったことがあった。
私は、目の前の物事に必死すぎて、小さな感動すら見つける余裕がなかったのだ。
激しく泣いてしまったのも、うまく発散できていなかったストレスが爆発してしまったからかもしれない。
