駅に向かって歩いていくうちに妙なテンションから覚めていき、また、向こうもそうだったらしく、姿を確認し合ったときにはなんとなくお互い気まずかった。

なんせ話をしたことすら今日がほとんど初めてなのだから当然だろう。

ちょうど休日のお茶タイムとかさなり、喫茶店は満席で順番待ちになってしまった。

席が空くまでの時間が余計気まずかったことは、お互い口には出さなかったが同じ思いだっただろう。

注文した飲み物が届いてから、私たちはぽつぽつ話しはじめた。

「あのメール、本当は誰に送るつもりだったの?」

私の問いかけに、かまたさんは一瞬固まった。

「絶対私のこと、変な人だって思いますよ?」

「さっきの私より変な人いないと思うから大丈夫だよ」

笑ってそう言うと、かまたさんもちょっと笑った。

「それを言うならお互い様です。私も妙に興奮してて・・・勢いで会うことに決めちゃったんですから」