泣いたあとのふわふわした頭のせいで、彼女からの謝罪は右耳から左耳に流れていっていた。

ただ、青い空だけが脳裏にこびりついて離れない。

無意識のうちに目は再び窓の方を向き、私は口を開いていた。

「あのさ・・・今から会えないかな」

あれ?私、何て言った?

どう取り繕う?

何か別に言うことを考えなきゃ。

そう思うほど頭の中は空回り、気づいたら勝手にに口が動いてしまっていた。

「空が青すぎて感動した。今すぐ分かち合いたい。どう?空について語らない?」

すっかりテンションがおかしくなってしまっている。

そこそこ痛々しい台詞を一気にまくしたてた私のことを、彼女はきっと変な人だと思っているだろう。

もうどうでもいいや、などと思ってやり過ごした5秒ほどの沈黙のあと、意外にもかまたさんからは了承の返事がきた。

30分後に駅前の喫茶店、と約束をし、私は適当に着替えて家を出た。