「リョーヘイ…。」


あたしは、すっかり縮こまってしまったリョーヘイの名前を呼んだ。


「なに?」


「…リョーヘイは、悪くないよ」


「…でも、カナキ怒ってる。」


「怒ってないから。」


ただ、勉強できない自分が嫌なだけ。


はぁ。


リョーヘイに、そんなこと思わせる程にあたし落ち込んでるみたい。


「…ほんと?」


まるで仔犬のように聞いて、あたしの心をくすぐる。


「ほんと、ほんと。リョーヘイは、気にしすぎ。」


「よかったっ。」


安心しきったその顔が、ほんと…可愛い…。