「…っくしょんっ。
うぅ…最近寒いねー…」


カラダを抱きしめながら、ココに呟く。


「教室の窓、締める?」


「…っくちゅ、ううー。
大丈夫っ…」


「そう?」


最近、すごく寒い。


 そっかぁ…。


リョーヘイが、いなくなって…もう一ヶ月…か。


一ヶ月も経つと、慣れのようなものも生まれてくる。


だけど、
リョーヘイがいたってことが
忘れられない。


 そして、あの人影。


もしかしたらリョーヘイは、
すぐ近くにいるんじゃないかって…。


 たまに見る夢の中、
あたしはリョーヘイの背を追い掛ける。

掴みたくて、でも
掴めない。


「はぁ~…」


「笹川さん、幸せ逃げまくりですね」


…むっ。


この声…!!


「リョースケ!!」


ガタッ。


勢いよく立ち上がり振り返る。

「まあまあ…」


険悪なムードを抑えるべく
ココが口を挟む。


あっ…。


やっぱり、顔赤い…。