「……っ」


つまるようなキリヤの声があたしの耳にも鮮明に届く。


リョーヘイはキリヤの首に
手をそえたまま。


「…俺から
何をとるんだっけ??
キリヤくん」


「…っ、お前…。
何者なんだよ…っ!!
人間じゃねぇだろ!!」


…やめて。


キリヤの言葉にリョーヘイが
一瞬寂しそうな顔をした。


「…そうだよ。
人間じゃない。だから…何??」

「何じゃねぇよ!!
そんな奴に笹川は渡せねぇよ!」


リョーヘイの頭から
二つの触角が伸びていて、もう誰が見ても人間じゃないってことは明らかだった。


キリヤはそれを見て
拳に力を入れて構えた。