……初めこそ水無月くんを目の敵にしていたこのみちゃんだけど、最近は前ほどじゃなくなったみたい。

私の、大丈夫、の言葉を信じてくれているのか、それとも実際に水無月くんと関わってみたら、そんなに悪い人じゃないと思ったのか、理由はわからないけど。

初めは見ている私の方がヒヤヒヤするほどに敵意むき出しだったから、落ち着いてくれて本当によかった。


「ちょ、吉倉!もう開けんなよ!?さすがにこれ以上は絶対食いきれないから!!」

「えー。いいじゃん、ケチ」

「いや、ケチってなんだよ」


まるで私に接するのと同じようなテンションのこのみちゃんと、すっかり気を許した様子の笑顔を見せる水無月くん。


「……」

ぱく、ともう一粒、手のひらのチョコレートを口に頬り込んだ。