「これも新商品？」
このみちゃんがあけたチョコレートをひとつ手にとり、袋を破りながら訊ねると、「そうだよ！」というご機嫌なこのみちゃんの声が返ってきた。
コロンと袋から出てきた丸いチョコレートはなんだかいい香りがして、それを口の中に放りこむ。
瞬間、口の中に広がる心地良い甘さ。
外側と内側で食感が違う。
固めのチョコの中は、柔らかくてとろける、大人の味がした。
「これ、美味しい」
思わず零れた言葉。
このみちゃんに笑顔を向けると「それはよかった！どんどん食べてね！ほらほら」と嬉しそうに私の掌にたくさんのチョコレートを落としてきた。
「わわっ」
咄嗟に両方の掌を差し出したけれど、それですら溢れてしまいそうな量。
こんなにもらっちゃっていいのかな、なんて思ったけれど、このみちゃんはもう違うお菓子の封を切っていた。
