……初めての委員会のあとに、皆でワッフルを食べに行ったとき。
今よりずっと近い距離で水無月くんと目が合った。
何度拭っても取れない、彼の唇の端についていた生クリームが可笑しくて、つい手を伸ばして取ってしまって。
そのときはどうしてか、水無月くんのことを冷たいって思わなかったから。
傷付けられそうで怖いって、思わなかったから。
自然に触れてしまったけれど、あの時から水無月くんは前にも増して冷たく私を見ているような気がしてしまっていた。
だって、ふと目が合うと不自然なくらいすごい速さで目を逸らされるし。
カフェの準備で一緒に作業しているときに偶然手が触れたりしても、バッとすごい勢いで身体を退けちゃう。
他の子にはそんなこと、しないのに。
カフェの準備を一緒にするたびにそんなことの繰り返しで、こんなの私、相当嫌われてるんだなって思うしかないよね……。
だから。
今まで水無月くんから話しかけてきてくれたことなんてなかったから、本当に驚いた。


