……理由なんかわからないけど、どうやら私は水無月くんに嫌われてるみたい。


それは冷たく振られたときからわかっていたつもりだったし、近づいて傷付くくらいならもう関わらないようにしようって思っていた。


それなのにこんなふうにふたりきりになるなんて。



……私、どうしたらいいんだろう。



思考はぐるぐる廻りながらも、チクチクと手もとの針を進めていく。


はじめは目も当てられないくらい下手くそだったけど、だんだん慣れてきたみたい。


少しはマシな出来になってるかなぁ。



「……雪岡」



「っ!?」



ふいに名前を呼ばれたことに驚きすぎて、ビクッと身体が跳ねた。


恐る恐る顔を上げれば、水無月くんと目が合って。


「な、なんですか……?」


訊き返せば、すぐに視線を逸らされた。