「……図々しかったらごめんなさい。……クリーム、取っちゃった」
ふわっと笑みを深めた彼女は、指についたクリームをティッシュで拭き、もう一度俺を見た。
何の反応も返さない俺にはじめは不思議そうな顔をしていたが、徐々に焦ったような表情になる。
「ご、ごめんなさい!私、余計なこと……!
水無月くんは私のこと嫌いなのに、触られるなんて嫌でしたよね……!」
「え……」
「は、早く行かないと……!あの、」
「あ、悪い……」
退けて、という視線に俺は雪岡に被さるようになっていた身体を起こした。
素早く立ち上がり、するりと横を抜けていった雪岡。


