「……別に気にしてないから大丈夫だよ、坂井くん。ほらほら、ワッフル食べよ!アイスとけちゃうよ」
「あ、うん」
「……み、水無月くんも。私、本当に気にしてないから」
そう言って、雪岡は俺に向けて微笑んだ。
……泣きそうな笑顔だった。
その笑顔を向けられて、再び俺の中に苦しいほどの音がよみがえってきたのを感じる。
「……?」
そこで小さな違和感を覚えて、俺は食べようとしていた手を止めた。
よみがえってきた……って。
……さっきまで、もしかして音、止んでいた?
席を立っても鳴りやんでくれなかった、あの音。
止まったって、でも一体いつ……。


