シュガーメロディ~冷たいキミへ~



「中学はどこだったの?」


「え?えっと」



ひとつ質問に答えてホッと息を吐き、パスタを皿の上でフォークに巻きつけている間に再び質問が飛んできて、雪岡はまたもやパスタを口にするタイミングを逃していた。



……すっかり冷めちまってんじゃん。


卵の乗ったカルボナーラ、せっかく美味しそうだったのに。



俺はもう一度ため息をついて、スマホを片手に「ごめん」と声を上げた。



「ちょっとゴメン」


立ち上がる仕草をしながらそう言うと、俺が通路に出られるように雪岡は慌てて席を立った。


「何、電話?」


不思議そうな顔で坂井が訊いてくる。


「あー、そんなとこ」


「ふーん」



自分から訊いてきたくせにたいして興味もなさそうな相槌を打って、俺が通路に出たあと再び腰を下ろした雪岡に視線を戻す坂井。