「違うっつーの!これは、仕方なく……っ」
思わず、だろうか。
今野くんに真っ赤になりながら言い返した水無月くん。
……仕方なく、か……。
水無月くんは私を助けようとしてくれただけ。
だから、さっきまで肩に触れていた手に今野くんの言うような意味はない。
それは私だって分かっている。
……でもこんなにハッキリと仕方なく、なんて言われたらどうしようもなく悲しくなった。
水無月くんのこんなセリフに傷付くなんて、やっぱり私はまだ水無月くんのことが好きなんだって思い知って、自分が情けなくなる。
「えええー?仕方なくー?ちょっと目を離した隙に何が……、っていうかそんな言い方ないだろー」
「え」
今野くんにやんわりと咎められて、ハッとしたような水無月くん。
だけど、すぐにキュッと眉を寄せて厳しい表情になってしまった。


