誰かに助けを求めたくても、団体の最後尾を歩いていた水無月くんと、そして前には依然悪態をついているこのみちゃんとそれを楽しんでいるような今野くん。
他の皆はもっと前を歩いているから、どうしようもなかった。
「……」
誰といても楽しそうな水無月くんが何も話しかけてくれないのは、きっと一緒にいる相手が私だから。
振られた側として私も気まずいけれど、水無月くんだってきっと振った相手とこんなふうに近い距離にいるなんて気まずいに決まっている。
ぐるぐると、思考が混乱をはじめていた。
ついさっきまで、気にしなければいいだけの話だなんて思っていたのに、やっぱりそんなの私には無理だ。
これ、何か話しかけるべきなの?
でも、話しかけるって言ったって、一体何を────。
「……か、雪岡!!」


