シュガーメロディ~冷たいキミへ~


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翌日。


「きゃああ、梨音、可愛い!」

クリスマスパーティーのために、思い思いに着飾った生徒たち。

パーティー会場では、お互いを褒め合うような、きゃあきゃあというテンションの高い声があちこちで上がっていた。

演奏会がはじまるまでは自由行動なので、私はこのみちゃんと由奈ちゃんと一緒にいたんだけど、このみちゃんがテンション高く褒めちぎってくるものだから、なんだか照れてしまった。


「可愛すぎるーーっ!」

なんて、そう言うこのみちゃんだって可愛すぎるくらい完璧な美少女なのに、私と由奈ちゃんばかりを写真に収めている。

私が今日着ているピンクのドレスは、このみちゃんが一緒に買い物に付き合ってくれて、選んでくれた。

演奏があるから、ふんわり広がったスカートの丈は長めだけど、背の小さい私でも似合うようなドレスを選んでくれて。

このみちゃんには本当に感謝してる。


「……あっ、そろそろ行かなくちゃ。じゃあ、また後でね」

ステージの方を見れば、私と同じ演奏者の生徒がぞくぞく集まってきていて、私は慌ててこのみちゃんと由奈ちゃんにそう言ってその集団の方に向かう。


「梨音、頑張ってね!」


「落ち着いて弾けば大丈夫だよ」


ふたりのそんな優しい言葉に背中を押されて、緊張がすごくほぐれたような気がした。