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「……え?」
待ち合わせの場所に現れた雪岡は、俺の姿を見つけると驚いたように大きく目を見開いた。
ガヤガヤと人が行き交う駅前の公園。
大きな噴水前のベンチに座っていた俺は、雪岡が俺の前に来たと同時に腰を上げた。
「……はよ」
「え、え?どうして水無月くんが……」
戸惑ったように俺を見る雪岡は、意味が分からない、とでも言いたげだった。
それはそうだろう。
雪岡が約束したと思っているのは吉倉なのだから。
「え、このみちゃんは……?」
「来ない。……こうでもしないと、雪岡は俺と会おうとしなかっただろ?」
きょろきょろと吉倉を探すように周りを見回していた雪岡は、俺の言葉にぴたりとその動きを止めた。
……あれから、何度か雪岡の教室に行って雪岡に話をする時間を作ろうとしたけど、そのたびに雪岡は俺から逃げるから。
俺の姿を見つけるたびに傷付いたような表情になって、その場から逃げ出す彼女を見るのは結構、辛くて。
だけどこのままじゃ前に進めないと思って友哉に相談したところ、吉倉が手伝ってくれることになったのだ。


