「……ねぇ、このみん」
「む、むりっ!なんか必要以上に近いんだもん……っ」
顔を背けたまま言えば、今野くんは一瞬の間の後にクスッと笑って
「……可愛い」
なんて言うものだから、さらにあたしの体温は上昇。
鼓動も走り出したまま加速を続けている。
どうしてこんなにドキドキするんだろう。
……なんて、そんなの。
もうほとんどわかっているのに認めたくないのは、あたしが素直じゃなさすぎるせいなのかな。
「……すきだよ」
「っ」
今野くんの言葉に、心がギュッと音をたてた。
昨日も言われた言葉なのに。
昨日よりずっと重く心に響くような気がするのはどうしてだろう。
甘く強い痛みが心臓に走って、それになんとか耐えようと思わずギュッと目を瞑ると、はぁ、という小さく吐き出された息が再び耳朶に触れる。


