「……」
放してもらえた瞬間、いつの間にか緊張していたらしい強張った身体からフッと力が抜けた。
無意識のうちに安堵の息が零れる。
「……このみん、俺」
すぐ後ろから聞こえてくる、少し掠れた声。
困ったような声。
なのに、どこか甘い色を帯びたように聞こえるのはどうして────。
「信じてもらえてないのかもしれないけどさ、俺、このみんのことホントに好」
「え!?ちょ、ちょっとストップ!ストップストーーップ!!」
せっかくハグから、先程までの恥ずかしさから解放されたかと思ったのになんでこんなに人が沢山いる場所でそんな話をするのかな!!
「ちょっと、来て!!」
グイッ、と引っ張るようにして今野くんの手を強引に掴んだ。


